早稲田まちづくりシンポジウム2011 結果報告

さて、先日行われましたシンポの結果報告です。

個人的には、例年よりも人が多くて冷静な熱気にあふれているように見受けられました。

以下に、今回、「まちかつ」メンバーからオーガナイザーやプレゼンテーターとして参加した、柳沢・益尾からの感想を掲載します。皆さんはどんな感想を持ちましたか?

柳沢感想

7月3日早稲田まちづくりシンポジウムは、例年以上に収穫を感じたシンポジウムだった。
印象に残った話が2つある。 
 国交省の役人さんが、「風景の再生なんて被災者に受け入れられるのか?」と最初は疑念を感じていたにもかかわらず、地元NPOの方や他の登壇者 の熱いメッセージを聞いて、最後は好意的な姿勢に転じていたことだ。「風景の再生」がハードのみならず生業や暮らしや文化などの再生にもつながる ことを、様々な人が熱く語っていた。
 もう一つは、港湾計画に詳しい日大の岡田智秀先生による海岸防護思想に関わる話だ。我が国では海岸線の範囲で海の猛威を抑え込むという思想が基 本となっているため、防潮堤のような防護施設が大型化しているという。一方、ハワイなどでは、自然地形や海岸林を防護施設として利用しつつ、でき るだけ後背地に定住地を誘導し、海岸構造物を最小限に抑え、面的かつ複合的まちづくりを行っているという。我が国では港湾、土木、農業が縦割り行 政によって分かれているために、面的かつ多元的な防災思想が育たない。復興まちづくりにおいては、もはや縦割り行政などと言っている場合ではないことを強く認識した。


益尾感想

昨日のシンポジウム、お疲れさまでした。復興に関するシンポジウムの中でも、一歩踏み込んだシンポジウムだったと感じています。

上島先生が、「風景というのは地元にとって本当に必要なことなのかどうか?」という議題定提起を出されていましたが、地元の方々の反応、そして、シンポジウムでの議論を経て、最後に、冷静ながら、大変熱いメッセージを伝えられていたのが、大変印象的でした。

現状では、単純な基盤整備と無骨な擁壁、長大な防潮堤ができて終わりといった美しさからは、最も対極にあるような流れができ始めているように感じていますが、昨日のシンポジウムがそのベクトルを修正するような、多様な運動に繋がっていければと思います。

私も、復興に向けて希望をもって取り組みを始めようとしている市民を支援し、昨日の運動をより実践へと展開できるよう、尽力していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。